オレは砂漠をさまよった挙句、遂に倒れてしまった。
ボロボロの古文書をポケットから出し読み返した。
ここA砂漠には全身が砂で出来た伝説の踊り子がおり、それはそれは世にも美しい踊りを舞うそうだ。
オレはダンサーでその踊りを心に焼き付けるためにここまで来たのだ。
ふと空を見上げると竜のような物が飛んでいた。
砂埃が空を舞って何処かへ流れているようだ。
オレは最後の力を振り絞りそれを辿って行くとオアシスに着くことが出来た。
大喜びで水を飲んでいると誰かの気配を感じた。
草むらから覗くとそこには1人の女性がいた。
よーく目を凝らして見ると先ほどの砂埃が降り注ぎ、くるくると小さなつむじ風のように踊っているではないか。
そうか、彼女が砂嵐の妖精だったのか!
ワッと風が吹き、踊りはクライマックスを迎えた。
オレは一瞬で涙が頬を伝った。
目に入った砂を洗い終わる頃には彼女の姿は影も形も無くなっていた。(終)
久しぶりに書いたので読んでちゃぶだい。
実際のオアシスは美しいなんてものじゃなくて、動物の出入りが多いので一面糞だらけで獣臭いらしいですね。
水も茶色く濁っていると前野ウルド浩太郎氏の本で写真入りで読みました。